Before (改善前)

DLCコーティングの密着性

DLCコーティングを行う生産設備部品において、母材が硬度HV720程度のSKD材料の場合、DLC処理が剝がれ易く、寿命が短いという傾向があります。これはDLCコーティングの硬度はHv3000程度であり、母材との硬度が離れているため密着性が悪いということに由来します。機械部品が早く摩耗してしまうため、頻繁な部品交換が必要となり、コストアップの要因となってしまいます。

V

After (改善後)

DLCコーティングの密着性を向上

母材とコーティング処理の硬度が大きく異なる場合は、母材に対して硬度を上げる処理を一度行うことで密着性を上げることができます。SKD11に対しては、DLC処理を行う前に窒化処理を行うことでSKD11の表面の硬度を大きく向上させることが可能です。こうして、素材と表面処理の硬度差を近づけることにより、
母材とコーティングの密着性が向上し長寿命化を実現することができます。

POINT(要約)

表面処理を行う際は、母材と処理の相性をよく考えることが重要となります。SKD11とDLCのように硬度にHv2000以上の差があるような場合は、母材の硬度を上げてやることが有効です。硬度を近づけることで密着性が上がり、コーティングが剥がれ難くなり、長寿命化を実現することが可能となります。