用語解説

時効硬化処理とは

時間の経過とともに原子が移動して内部に結晶変化がおこり、
金属間化合物ができて硬くなる(自然時効硬化)という現象があります。
そこで加熱によって移動しようとする原子を動きやすくして
早く移動を完了させて硬くする人工時効のことを時効硬化処理といいます。

鋼の特性に残留ストレスの話を付け加えます。
残留ストレスとは、そのままの状態で引っ張りと圧縮が
バランスよくなっていますが、長い間放置や熱さ寒さで
残留ストレスが徐々に解消され、形が変わってきます。
これを永年変形または時効変形といいます。

残留ストレスのある部分を削ったり、切断したりしますと形の狂いがでてきます。
たとえば曲りを直した丸棒などは
残留ストレスが内臓されてますが、そのままなら一応まっすぐです。
これはストレスがバランスしてるからです。
しかしこの丸棒にキー溝つけたりしますと、
ストレスのバランスが壊れるので曲りができてしまうのです。
よって、精密部品は残留ストレスを除くために人工的に加熱して除いてやることです。
加熱温度は、その材料の再結晶温度以上が必要です。
ストレスが残留してる材料の結晶粒はゆがんでますので、
これを調粒すればストレスが解除されるのです。